聖地めぐり

悲しいパンダ号

 今回の旅のゴールは伊香保温泉だ。

 我が家の男子達は漫画「頭文字D」の聖地「秋名山」に行きたかったらしい。
 秋名山(ホントは榛名山)の溝を確認し、ここにマジでタイヤを落としたらイン側から抜くどころか、車が壊れるだろうと確認し、樹(いつき)君(「頭文字D」の主人公の友人。アホで間抜けで人がいい、香港映画に良く出てくるタイプ)がボートから落ちた秋名湖(ホントは榛名湖)で、パンダの足こぎボートに乗る。
 漕ぎ手リーダーの私。時間配分を間違え、対岸近くまで漕ぎ出してしまった。
「延長料金取られたら絶対嫌だからな。お前一人で漕げよな」と、我が家の男子達に、のび太的な、ごろ太的な扱いを受けた私は必死。
 スパイ大作戦の時限爆弾停止時間のようなギリギリで間に合う。
男子達はひやひやしたと文句たらたら(だったら漕ぐの手伝えよ)。
「この位のことがあった方が思い出に残るでしょ」と、開き直った私だが、後日、太ももの筋肉痛でボートの思い出を振り返るのは私だけだった。