読書会はすごい

 長いトンネルを抜けたような気持ちです。
 
 先日、少しハードルの高い読書会に参加してきました。
 
 課題図書はトクヴィルの『アメリカの民主政治』(講談社学術文庫 上中下)
 
 1831年から32年にかけてアメリカに滞在したフランス人貴族が民主主義について、アメリカの政治制度について思索した著です。
 
 政治学や法学を学んだ方にはスタンダードな本らしいのですが、私はこのような機会がなければ絶対に読むこともなかった本でした。
 
 上巻432ページ、中巻505ページ、下巻613ページと巻を追うごとに分厚くなるんですよね。読んでも読んでも理解が進み、ページをめくるスピードが速くなるということもとうとう無く(いつも集中力が途切れて雑念との戦い)、途中意識朦朧となりながらもなんとか読書会当日まで間に合わせて参加しました。

 学生時代の講義と違って、大人が集う読書会の楽しい所は、書いてあることの解釈だけにとどまらず、その人の経験や生き方に裏打ちされた話がどんどんひろがることです。著者にツッコミも入れられる、そんな自由さも楽しいものでした。

 同じ本を読んできているというベースがあるので、一見話がそれがちなのに、ちゃんと繋がっているんですよね。

 ツッコミ所や、翻訳のまずさの指摘も出た『アメリカの民主政治』ですが、さすが古典。この本を読む前と読んだあとではアメリカについての感じ方(読む人それぞれかもしれませんが)が違ってきます。そのくらいアメリカとは何なのかが語られている本なのだと思います。
 
 私にとっては読むことが大変な本でしたけど、相対的に他の本がどんどん読みやすくなり、仕事で読まなくてはならない本も時間がない中でもどう読めば理解できるか考えついたり、本を読む力はどんどん上がるのだと実感できたことも収穫でした。
 
 読書会の後、帰路で読んだ『空中ブランコ』(奥田英朗著 文春文庫)は本当に楽しかった。隣の席のサラリーマンは私が何度も噴出しているので、気持ち悪かったことでしょうね。