ゆるゆるしすぎです

 更新ができずに日々が過ぎてゆきます。

お正月の特別番組もレギュラー番組に戻り早2週目。ドラマの新番組も数番組、1週目にチェックしてみたが、早くも2週目には(私の中で)脱落(睡魔に負けて見逃す)してしまった。

 速水もこみち主演の「東京タワー」。昨年秋に放送した大泉洋主演のものより、学生時代から丹念に描いているよう。おかんの倍賞美津子が生活感たっぷりで演じているが、原作のおかん像と離れている気がして、2週目脱落。廃業した病院に住んでいるという設定のおかしみもドラマの中で拾えておらず、ストレートな青春物語予定か?

 釈由美子主演の「秘密の花園」は釈由美子の表情と声が自然で良くて、画面に引き付けられたが、2週目には見逃してしまった。
 
 天海祐希主演の「演歌の女王」はとことん人の良い女性の話。つまりよく騙される人という設定。登場人物がそれぞれキャラクターが立っている割には、1話だけのゲストなのかと思えるぐらい、これからの主人公とどう関わってゆくのかの期待が膨らまない。見ていて1話ごとのオチというようなカタルシスも得られず、ストレスが溜まる。それにしても、破壊的な無邪気さで主人公の生活を壊す男を原田泰造が演じているのだが、やっと落ち着いて結婚をするというこの男が、40歳という設定なのがすごい。というか、ここ20年ぐらいで、40歳像が10歳くらい若くなっているのではないか。

 木村拓哉主演の「華麗なる一族」は、キムタクの髪型が気になって、集中できなかった。昭和42年の大手企業グループの役員で茶髪で襟足が伸びているなんて、ちょっと信じられない。前年来日したビートルズの髪型でさえ「長髪」と大人達に言われていた時代にですよ。キムタク以外の俳優は、ちゃんと時代っぽい扮装をしているのに。キムタクはキムタクでしかいられない。これはキムタクの「華麗なる一族」なんですね。


 一番楽しみにしているのが、二宮和也主演の「拝啓、父上様」。神楽坂の町並みを見られるのが嬉しい。そして自分の運命を受け止めて淡々とまじめに日常に向かい合っている若者の姿をみるだけでも心が和む。いかにも中年の人が言いそうな感想になってしまってごめんなさい。自分がそうではなかっただけにね。
これから、淡々とではすまないような展開になるようで楽しみだ。


 そうか、先週はドラマばっかり見ていたのか・・・。ブログも更新せずに。

ついでに、DVDの映画をレンタルして、見ていた。
 
 そのなかの1本、「サマータイムマシン・ブルース」(本広克行監督瑛太上野樹里出演)が、けっこう心に残った。部室のエアコンのリモコンが故障して暑さに耐えられないというのが最大の悩みのような学生達が(突然目の前に現れた)タイムマシンを駆使(?)して、時間の矛盾を乗り越え、また修正するために何度も時間を往復するというコメディ。最後にちょっとほろ苦いオチがあったりして、見終わった後も爽快。
この話の中で、25年後の未来からやって来る学生がいるのだが、その姿、話し方が1960年代の若者のようで笑いが起こる。でも、これって「未来の若者は私が理解できないような最先端の姿と考え方をしている」という思い込みを覆す、新鮮な設定である。私が年をとっても、ちゃんと若者たちと話が通じるかもしれない、というちょっとした希望が。

 
 先週読んで面白かった本を。

 『ラストサムライ 片目のチャンピオン武田幸三森沢明夫著(角川書店
 キックボクサー武田幸三を追ったドキュメント。

 本書の後ろに、武田幸三本人からのメッセージが書いてあるが、これが、どのように取材をされたのかが書かれていてとても興味深かった。

 著者は最初に「くつの裏のゴミまで見せてください」と言ったという。そして、インタビューの間にも、事細かにその時の服の色や、空気の匂いまで、事細かに聞き出している。過去の試合のビデオを一緒に見るときにはちょくちょく画面を止めて、確認を取っていた。取材方法の情報公開。

 この本には被取材者にぴたりと寄り添いながら、緻密な取材を重ねた姿勢が現れている。
 武田幸三の魅力がきっちり伝わってくる、誠実な本。これまで歩んできた人生のポイントを振り返りながら、試合を振り返る構成も巧みです。

 私は格闘技系はまったくもって門外漢なのですが、なぜ、この本を手に取ったかというと、静謐だけど、情熱を感じる雰囲気が表紙や本文の字組みからただよってきたから。雰囲気は大切です。