やっと雪が

 暖冬で、スキー場さえも雪が無いと昨日あたりのTVで伝えられていたが、今日はようやく本格的な降雪。朝方晴れ間が見えたので、油断して洗濯物を外に出したら凍ってしまった。

 先日は、子どもがまったく楽しみにしていないケーキを大人がほおばる家族でのクリスマスパーティも型どおり済み、なまった身体をフィットネスジムでほぐそうと出かけた。26日にもなってもまだクリスマスソングが入っているJポップの有線が流れていたので、「毎週火曜日はJポップを流す日なんですかね。だったら火曜日以外の日に来ることにします」と嫌味を受付の人に言ってしまい、我ながら気が塞いでしまった。

 だいたい、Jポップは音楽のジャンルではなく、国産のポップスという大雑把な分け方だ。いろんなリズムやカテゴリーが混在していて、身体を鍛える場には絶対に合わない曲も混じってくる。キネシスで気持ちよくストレッチをしている時に、「男達の大和」のテーマソングなんかかかってきたらガクッときてしまう。

 夏に放送していた「結婚できない男」が再放送されていて、毎日見ている。自分のこだわりがあるため、周りの迷惑顧みず、協調性もない40歳の主人公の男の尊敬するところは、周りに悪口を言われようが、嫌われようが(表面上は)気にしないところだ。
 周りの評価の前に自分の快適さをとる潔さが、自分では持てないだけに、憧れる。


 12月上旬に出席した東京での勉強会で参加者の方が勧めていた本、『おそめ 伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生』(石井妙子著 洋泉社)を読む。
 筆者は噂で聞いた事のある伝説のバー「おそめ」のマダムであった人物に実際会い、その魅力に引き込まれ、彼女の伝記を書くことになる。
 最初は聞き書きでできるつもりだったその本は、結局関係者の証言や、膨大な資料にあたり、5年の歳月をかけて完成する、綿密で、濃い作品になった。
 読んでいて何度ため息が出たことだろう。
 私も魅力的だと思う人の、その物語を書きたいと思う。
 そのために私は何をするべきなのか。取材だよ。焦る。

 頭が空回りしたまま、『おそめ』を読み終わったら、お酒が飲みたくなり(何しろバーが舞台だ)、黒糖焼酎の水割りを飲みながら、夜中スカパーで岩城宏之指揮のベートーベン全交響曲演奏会を「のだめカンタービレ」で使われた第7番まで頑張って見る。わたしもあのドラマで好きになった曲だ。第7番は、今や地元のスーパーの年末大売出しのCMに使われるほどメジャーになった。

 焼酎の飲み方がいけなかったのか、猛烈な頭痛で目が覚める。

 年明けに世界が急に変わるようなことはなく、もちろん今日の連続でしかない。少しずつでもましになりたいと思うなら努力するしかないと観念して、一年を閉じたいと思う。