あけび苦し

 昼間ぽっかり時間が空くことがあり、近所のJAが経営している農産品直売所をのぞいて見る。包装やパックには農園や生産者の名前と連絡先がかいてあり、「顔の見える」農産品で評判も良いらしく、結構客がいる。
 作物だけではなく、凍み餅や梅干などの農家の手作り加工品もあるのが楽しい。

 この季節だけ食べられる物の一つに「あけび」がある。子どもの頃山道をドライブすると熟した実がなっていて、たまたま食べることができたという記憶の果物だった。今はちゃんと季節になると買えるようになった(昔は買ってまで食べる物ではなかったのかもしれない)。この直売所では小ぶりのあけびがパックに5個入っていて100円で売られていた。「皮を炒めるとおいしい」と書いてあったので、実を味わった後は皮も使えるのか!ひと粒で2度おいしいではないか、とさっそく買ってみた。

 ところが、小粒のあけびは実も甘くなく、種の周りは苦かったのです。皮を千切りにしてきんぴらを作ってみたのですが、この世の物とはいえないくらい苦くて食べられませんでした。失敗でした。あらかじめアクを抜くとか何かおいしく食べる方法があるのでしょうか?
 ちょうど、あけびの調理中にテレビで(確か一ヶ月一万円生活)で木に実っているあけびをたべたアンタッチャブルがまずさに口から吐き出していた。完熟のものしか食べてはいけないようだ。
 ところでアンタッチャブルは山で自然になっている食材をタダで手に入れてお金を使わずに得したという設定になっているが、山へ行く交通費はカウントされていないようだ。ロケバス代はタダということで(か、どこでもドアがあったのだろう)。