二代目星野一義襲名

 先日泊まりに来ていた友人に今年のホシノインパル(超大物元ドライバー星野一義が率いる日本の有名レーシングチーム)のF-nippon(国内トップフォーミュラーシリーズ)とGT500のZ(スーパーGTというスポーツカーを改造した一番人気のあるシリーズ)に、残念ながら今まであんまり活躍がパッとしていない息子の星野一樹が乗るという話を聞いて、具合が悪くなった・・・。あんたは金正男か?とも思った。
 
 私の事実誤認があるといけないので、書店で「AUTOSPORTS」を購入。ちょうど星野一義、一樹親子のインタビューが乗っている。

 仕事では親子じゃないと言う一義だが、起用した気持ちについては<一樹も一生懸命やってたのは分かる。だからできる範囲でチャンスを与えないことには磨けないわけだし、年齢的には僕も最高の舞台に上がってきたのは28歳の頃だった>と、親心丸出しである(星野一義が28歳でトップに立てた時は一流レーサーの年齢層がもっと上だったし、間違いなく本人はトップレーサーの一人だったはず)。自分がどう指導するかについては、<もう、幼稚園の子どもじゃないから見て盗むしかない>という小学生の子ども扱いの様子・・。

 「ホシノ」とモータースポーツ界で言えば星野一義である。星野一樹はホシノカズキとしか呼ばれない。

  モータースポーツは速く走れる才能だけで生き残る世界ではなく、本人のトータルの実力が物を言う。つまり、どれだけお金のあるスポンサーと契約し、体制の整ったチームに入れるか。そこには親のバックアップも、七光りも当然込みである。乗るマシンが良くて初めてスタードライバーになれる。

 世襲制度がある世界と言えば真っ先に思い浮かぶのは、伝統芸能、国会議員、芸能界、株式を公開しないような企業、そして天皇制を模したような日本中各何々家・・・そこにモータースポーツ界も加わりそうだ。

 ホシノカズキさんは、親の偉大さの前で複雑な思いを抱えているようだ。いっそのこと仕事では親子ではないなどとポーズをとらずに、「二代目星野一義」襲名を目指し、親子でその芸(日本一早い男芸)を磨いたらいかがでしょう。案外本人達も、周りもスッキリするのではないでしょうか。