終戦60周年の年に

 私の親の世代は、戦中派もしくは戦後に食糧難を経験した世代であったので、それなりに経験談を親や祖父母から聞いて育ってきた。その時代に生まれなくてよかったと言う安堵感も感じながら。

 「笑っていいとも」で会場の女性観覧者100人にテレフォンショッキングの元自衛官のゲスト今井雅之が「太平洋戦争での対戦国を知らない人」という問いに13名もの人がボタンを押していた。いいともを見に行っちゃう人達だから強度にTVっ子だろうし、平均値とは多少ずれがあるかもしれないが、3人ではなく13人だったことに結構驚きました。私。

 私なりに終戦60周年にふさわしいものをと、今『八月十五日の神話』(佐藤卓巳著・ちくま新書)を読んでいる。

 旧盆の8月15日が終戦記念日として定着したいきさつは?そもそも本当の終戦の日とは?なぜ敗戦ではなく終戦記念日とされているのか?お盆に終戦記念日を迎える関係は?など、今まで当たり前に8月に入ると戦争の時代へ振り向かされ、、反省気分になっていた日本人のひとりだった私にとって、作者の放つ「問い」にははっとさせられることばかりである。