横浜1

 12:00横浜着。地元在住の友達と待ち会わせて地下鉄みなとみらい線に乗って元町へ。初めて乗ったが、なるほど中華街や本町まで駅から近くてかなり便利になった。友達がお昼を食べるところをちゃんと予約してくれた。
 その店の入り口で大きなゴールデンリトリバーが主人がご飯を食べている間待っていた。一緒にいた友達がとても自然に「かわいいー!」と言うので、私もいい人のフリをして「かわいいー」と言いながら、お手のポーズをしたら、その犬、本当に私の手に前足を乗せてきてびっくりした。生まれて初めて犬の足の裏を触った。そしたら、今度は私に抱きついてきてチューまでされてしまい・・犬の主人が慌てて「犬好きの人にすぐなついちゃうんですー」と言って謝りに来ててくれた。一度も犬を買った事も無く、特に犬好きを表明した事も無いのでびっくりしてしまった。でも、あんなになつかれたらやっぱり嬉しかった。
 その店でランチコース(野菜もたっぷり使ってあって、魚料理も美味しかった)をゆっくり食べた後、港の見える丘公園大仏次郎記念館(学生時代にだいぶつじろうと読んでバカにされたことを思い出しながら)の近くにある県立神奈川近代部文学館に寄る。最近買った日垣隆の『売文生活』(ちくま新書)に夏目漱石の私製原稿用紙のことが触れてあり、ひょっとしたらここで見る事ができるのではないかと思ったので。すると、複製ながら鶯色の罫線とマークがしゃれた原稿があった。その本によると、大正8年には20字×20行の今の形になっていたが、漱石が使っていた原稿は明治41年のころのもので、19字。確かに。 そこでは今は近代作家展を行っていて、教科書でなじみの深い作家の自筆原稿を沢山見る事ができた。とても読みにくい字を書く大作家の原稿なんてどうやって本に起こしていたのかなあと素朴な疑問が残る。職人技か。「もっと読みやすい字で」なんて言いにくかったでしょうし。
 中島敦が南洋の勤務先から息子に当てたはがきが印象に残った。「ポケットマンキーって言うんだ(マンキーはさるのことです)」とか、自分の見た珍しいものを子どもに伝えようとするやさしい気持ちが伝わって来た。

 夜は野毛の石松という一部のレース業界の間で有名なお店へ。レース観戦&ドライビングスクール仲間の快気祝い。いわゆる気の置けない集まりで、なんだか妙に盛り上がりました。