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 郡山市美術館で開催中の「大正の輝き〜モガの時代の装い」という企画展に併せて、大正から昭和の初期にかけての活動写真が上映されるので見に行った。無声映画には片岡一郎という現役の若い弁士がつき、無声映画についての解説もしてくれた。現役の弁士は全国で12名いるらしい。多くてけっこう驚きである。
 無声映画、大正14年作品の『虚栄は地獄』は、15分の喜劇作品。絶望した主人公が色々な方法で自殺を図るが失敗するというコントが昔TVで見たものの原型か?と思わせる。大正時代の風景なのになぜか懐かしさを感じる。まだ舗装されていない幹線道路や、文化住宅の佇まいは昭和40年代にも残っていたからか?
 企画展は日本ではモガといっても洋装だったのはほんの一部の人で、そのかわり鮮やかなプリントが織物の技術の発達で大量生産された時代だったということが分かった。モダンなデザインがそのまま生かされて、デザイナーも競っていた。 代表的なのは足利銘仙などで、三越百貨店など大手デパートが多いに宣伝をした。流行が産業と結びつき、消費者に提案され購買意欲をそそる仕組みが出来上がった時代とも言えるのではないだろうか。