ハガキ

初冬夕暮れの街


体がめちゃくちゃ重かったのですが、
頑張って防寒対策をして自転車で図書館と市内の文学資料館へ(本当に体が重くなりそうだったので)。

自転車で出かけることが本当に気が重かったので、すぐに引き返そうとさえ思ったのですが、自転車を漕ぐことより、まったく別のことを考えて、難所の上り坂もいつの間にか越えていました。



文学資料館では、久米正雄芥川龍之介菊池寛が大正時代に第4次『新思潮』を立ち上げたころの手紙のやり取りや原稿を展示する企画展を開催中で、なかなか面白そうなので、立ち寄ってきました。

互いの交流の中で、用事を頼むハガキ、立ち上げようとする雑誌のめどについて相手に負担をかけまいとしながらも、本心をそっと添える文面のハガキなど、ハガキならではの簡潔な文体が自筆のぬくもりも相まって、味わい深いものです。
電話も簡単に使えなかった時代ならではの、必要に迫られた通信手段であっただけなのでしょうけれども。
ハガキ、かっこいいです。


芥川龍之介久米正雄が大正5年の夏に、最晩年の夏目漱石とやりとりした手紙も展示されていました。

夏目漱石芥川龍之介の才能を高く評価して、書き続けるようにと激励します。
久米正雄漱石へ送る封書の宛名の文字をサービス精神を発揮して(かっこいいと思ったのでしょうね)六朝体風の文字で書くのですが、漱石に「怒ったような文字はよしてください」とピシャっと言われてしまう・・・。
それから、漱石亡きあと、漱石の娘筆子に惚れてまうのですが、鏡子夫人に嫌われて夏目家出入り禁止になってしまい、しかも親友の松岡譲が筆子と結婚してしまう(「破船」事件)ということがおこります。

久米さんは写真を見ても、なかなか人がよさそう。
などど、考えながら見るのも楽しい展示でした。