7年に一度の再会

 先週、NHK教育で「21歳になりました」を放送していた。7歳から数人の同じ子どもを対象に7年毎に定点観測のように取材する。21歳の今の様子を紹介しながら、7歳の時、14歳の時、ああ言っていたけど21歳になってどう思うかと、人の成長ぶり、もしくは移り変わりやすさを視聴者は見ることになる。 日本編、ソ連編、アメリカ編がある。国そのものがなくなってしまったソ連編の被取材者の人生の紆余曲折振りは激しく、現在旧ソ連国外で生活をしている被取材者が2人もいる。アメリカ編では受刑者になった人が一人。環境に左右される生活の厳しさを語っている。日本編の子ども達はそれなりに7年分成長しているけど、一番話し方も、顔つきも大人に遠い。
 このシリーズはイギリスのグラナダTVで42年前に始まった(最終日はイギリス編「49歳になりました」だった)。7年前の「42歳」編を私はとても強烈に覚えていて、7年間楽しみ(生きる励みとするくらい)に待っていたのだ。ただ、42歳から49歳への7年間はもう若い頃と違ってダイナミックな物語は無い。
 被取材者の一人はこのTVに出るのは辛いと語る。自分の若い頃に引き戻されるのがたまらない、と。私自身に置き換えて考えても、自分が若い頃どれだけアホだったか良く知っているので、視聴者にさらされることはとても恐ろしいことである。
 49歳で人生が思うように行かない人がそれなりにいて、その中で納得している人、落胆している人と様々だ。このイギリス編だけはテーマ曲がものすごく重々しい。7歳の時、同じ公園に集められて同じように無邪気に遊んでいた子ども達、それぞれの歩いてきたそれぞれの人生の厳しさにそのエンディングテーマが重なる。