講演会

イザベラ・バードというイギリス人女性が明治時代に日本の東北地方を訪ねた『日本奥地紀行』という記録があるが、訪問地の一つ会津をクローズアップした本『イザベラ・バードの会津紀行』が奥会津書房というところから出ている。
 イザベラ・バードの足跡を訪ねた写真なども数多く掲載され1200円の値段で合うのか?と心配するほど手が込んで、読みごたえがある。
 この本を購入したのは、著者のお一人でもある福島県立博物館館長の赤坂憲雄氏の講演を今日聴いたから。イザベラ・バードの旅行(探検といった方がふさわしいのか)に同行した通訳兼案内人の伊藤について興味があったのだが、赤坂氏は伊藤はイザベラ・バードをたくみに戊辰戦争で敗れた現在の会津若松市を通らずに迂回させ、結果としてイザベラ・バードは戦争の被害の歴史的記録者になりえなかったと話していた。伊藤氏は薩摩藩関係の工作者だという説もあり、また、イザベラの持っていた旅券は当時の外国人のものと違って、日本滞在中の行き先が記されていない奇妙な物だったという。