人生指南

 他県の同じ会社の同年齢の人が「私はこの本を読んで会社を辞めるのを辞めた」といっていた本を贈ってくれた。
 こんな本を読んだことはないのだけれど、と言っていたその本は『30代からのリ☆スタート 今よりもっと輝くために』(岸本裕紀子 ソニー・マガジンズ)。
 同僚もかなり悩んでいたのだろう・・・・・

 私もこの手の女性向けのエッセイ風人生指南書は初めて読んだので、とても興味深かった。

 まず、これでもか!というほど、著者のちょっと年下の女性に語りかけるような口調で、噛み砕いて分かりやすく書いている所が。
  世の(特にこのような本を好んで読んでいる)OLとはよほど頭が悪いと思われているのかと著者の親切さに感心してしまう。

 結局、現状から逃げたいだけなのか、それとも自分のやりたいことがあるのか、あるならアメリカの女性や、著者の友人や、著者のようにちゃんと努力しなさいよ!と喝を入れているように私は読めた。著者もいろんな能力のいろんなタイプの女性に届くよう、あれこれ考えて書いているのが伺える。しかし、イライラするのか最後の方で<それに、もっと頭使って!って思うの>(キツイ言葉に「思うの」を無理やりつけてフレンドリーに説教)と、本音が垣間見えるのが微笑ましい。

 この本を読んでいて、私は帰ってやっぱり今の勤め先を辞めたいと思った。
 人生指南書といっても、結局読み手の心情に引っ張られて解釈されてしまうようだ。