えんえきときのうがちょっとだけわかる

 板坂元著『考える技術・書く技術』(講談社現在新書)を読んでいる。
 来月に参加する文章講座の予習を兼ねて読んでみたのだが、1973年に発売されて以来読み継がれて来ているだけあって、わかりやすく親しみの持てる書き方がされている。現在ではパソコンによるデータ管理や、インターネットでの資料の検索などと情報を取り巻く環境は変わっているが、情報を自分のものにするための普遍的な技術は変わらない。

 文章に説得力を持たせるためにある学者が講演会で「全部わかりやすい話だとありがたみがないので、10%は難しい話をしてくださいと主催者に言われ、5%は自分でも理解できない話をしたらさすがだと感心された」というエピソードを紹介していてとても面白い(著者ははその技術を「なめらるな」と名づけた)。
 その10%が私にはないのですけど・・・。

 それから、この本を読んで始めて演繹法帰納法のイメージが頭の中ではっきりした。

 先にウンベルト・エコ『論文作法』(而立書房)や野矢茂樹『論理トレーニング』(産業図書)を図書館で借りて読んだのですが、それらを理解できないうちに返却期限が来てしまった。
 
 私のような何を習ったんだ的パーな元女子大生でもわかるところが新書のありがたさでもある。