5月尽
休みと少ない勤務日のおかげでやたらに慌しかったような気がする。
様々な事があった。
でも名残惜しいような5月の終わり。
薫風の時期も梅雨空が続く時期へ移る。
夜道の水田の水面に家々の窓明かりが映る季節。
稲が育つとその風景もまた1年間見られなくなる。
6月の楽しみのひとつはバス停からの帰りの大きな紫陽花を見ること。
28日のの消費生活アドバイザーの集まりで、「この資格を取ったので、消費者からのク レームにも落ち着いて対処できるようにうになりました!」と飲み会の席で豪語したわた しだったが、今日お客様相談室に連絡した消費者へこちらから電話しなくてはならなくな った。緊張したぜ。
事なきを得てほっとした。
- 作者: 春風亭柳昇
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/02/09
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 23回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
『与太郎戦記』を読み終えた
初版は昭和44年(私が読んだのは改訂版)。戦後20年以上経ち、太平洋戦争も否定的な意味合いで定着した中で、戦中の自分の気持を素直に書き出した名作だ。後からだったら何でも言える風の言い方はなく、敗戦後何もせずに引き上げさせてくれた中国の人々の姿と、60年後の中国国内での日本人に対する印象の違いに考えさせられる。もっともイトーヨーカドーの開店セールに「私は消費者ですから、反日デモには参加しません」と言って冷静に並んでいた中国の人もいるので、単純な比較は出来ないが。
これだけ書いていると、戦争モノ特有の襟を正さないと読めないような印象を与えてしまうが、柳昇師匠の落語のまんま、飄々とした文体とくすぐりが何度も笑わせてくれる。
戦場で命を落としかけそうになりながら誰かが自分の雄姿を家族に伝えてくれてよくやったと夢想する場面がある。
「正しい」と思っていたことが後々全否定されてしまう気持ちについて少しだけ想像を巡らせてみた。
先日亡くなった叔父も戦争に行ったことがあるらしい。戦時中、苦労したんだろうな。