日垣隆スペシャル

会場の大須演芸場

 11:00過ぎ名古屋駅着。今日は名古屋博学堂主催「日垣隆トークライブ」に参加。
テーマは「子育ての卒業式まで父親は何ができるか」。
  
以下、太字が日垣隆さん語録。  
「自分を相対化することが最も大切である」
 
 年をとった今、その大切さはしみじみとわかる。自己を巨大化せず、かといって自分を無価値とヒネてやけになることもなく生きていくのは若い頃にはけっこう難しい。私は自分を相対化することができずに大人になるのにとても時間がかかってしまったと思っている。

「判断力とは即決力」「判断力とは良い方を取ることではない。片方が良いとわかれば悩んでいない。選べないならどちらか早く選んで残りの時間を決めたことに全力を費やしたほうがよい」
 これは、私には目から鱗だった。選んだ結果を予想できなくて悩むなら早く選んでその分結果が良くなるよう、努力しろということ。選んだ結果を恨むのではなく、恨むべきはなされなかった努力に対してなのだ。あああ・・・。

「責任とは取り返しのつかないことをしたらしっかり怒って身につけさせる」「早いうちに羞恥心を覚えさせる」

など、日垣さんの行って来た子育てはプリンシプルがしっかりあって、そこに具体的なやり方がある。やり方のみまねしても親が目的を理解していないとダメだと思うが・・・。

 いつの時代にも不安を煽ることで利益を得る人達がいるから、子育てに過剰な不安を持つことは無いと言う。

 日垣さんは自信のメルマガの中で「学生は勉強をするのが本分」と言うようなことをきっぱりと言っている。アルバイトなどで社会体験をすることにはあまり価値を認めていない。アルバイトならいつでもできるけど(フリーターになったらそれこそ)、学生時代をどう過ごせば企業でも採りたい学生になるかをきちんと提示している。
 人生はギャンブルと語り。より倍率の高い選択をできたのは、それだけ見極め力が高いということだろう。人の言うことの理解はできても、創造性に乏しい私はどんな子育てをしていこうか・・・。

 トークショーの中で一番胸を打ったのは、息子さんが好きなことを選んでいくきっかけになったエピソードである。子どもとしっかり向き合い、夢をバックアップして本人の意思で歩ませる。会場の方の「お子さんに反抗期は無かったのですか?」という質問にきっぱり「ありません」と答えた日垣さん。「子育てのために生きているわけじゃない」と言いながら、裏表無く、信頼させる大人として親を務めてきたからだと思う。


 さて、講演終了後、楽屋出口をすんなり見つけ、日垣さんを出待ちしてしまった私。日頃のレース(観戦)活動で培った実力(笑)が怖い。
 日垣さんの本にサインをお願いしたら、靴を履くのもそこそこに、応じてくださった。
会場の入り口でも、希望者のすべてにサインを書き、話しかける人にも立ち止まってお話しされていた。人を大切にする穏やかな方なのである。

 この日の日垣さんの着こなしも上級テクでした。ジャケットとネクタイとベルトの色合わせに、こう来たかと唸る私。

 近くのおすし屋さんで名古屋博学堂本舗の皆さんと打ち上げ。評論家の呉智英さんにお会いできた。 私が福島から来たというと、会津藩の話しになる(去年大河ドラマ新選組」に合わせてちょっと本を読んでおいてよかった)。
 それから、地元の大メジャースーパー「ヨークベニマル」の名前を出すと笑われた(他地域の人には必ず笑われる)語感が面白いらしい。こんな発見があるので旅が好きだ。これも相対化ということか?

 
※私が深夜発の寝台急行銀河で東京に戻るため、夜中まで付き合ってくださった皆様ありがとうございました。