R380

 見ました、見ました。NHK「プロジェクトⅩ 」。日産に吸収される前のプリンス自動車最後のレーシングカーR380で日本グランプリを優勝で飾った話である。そのR380のレーシングドライバー砂子義一氏を囲んでお話を聞く機会が今年2月にあった。当時の自動車メーカーにとっての優秀なレーサーという存在が現在よりはるかに大きかったのが伺える、まばゆい時代のエピソードを沢山聞かせていただいた。当時はレースの結果が販売に直結するのである。
 だいたい、日本の自動車メーカー主体の、しかも市販車のレースにいきなりポルシェのレーシングカーを持ち込む人がいたのである(第2回日本グランプリ)。とにかく買ってやろう、観客を驚かせてやろうというのが許される。やった人勝ちのおおらかさ。フェアプレイも何もあったものじゃない。
 それにしても砂子義一氏の若いころの写真、かっこよかった。当たり前だけどご子息の砂子智彦砂子塾長)氏とそっくり。おじいさんになった義一氏もそれはそれは魅力的な方である。
 「プロジェクトX」のスタジオに出演していたスカイラインGT-Rを作った人としてファンの間では有名で名前自体がブランドになっている桜井眞一郎氏のプリンス時代を回顧してうっとりしている表情が印象的だった。恋をしている乙女の表情であったからだ。