9月3日(日)

最近どんなに遅く寝ても5時半ごろ一度目が覚めてしまう。
ホテルを8:30に出て、銀座、シネパドスでイッセイ尾形が昭和天皇を演じて話題になているロシア映画「太陽」を見に行く。整理券を発行するほどの混みようと聞いていたが、9:50からの回はチケットを買ってすぐ座ることができた。早起きはするもの。昭和天皇晩年のしぐさや、話し方など日本人が記憶に残っているところを巧みに取り入れて、いかにもという雰囲気。インテリで世俗に汚れていない、チャーミングな昭和天皇像になっていた。

午後からは、ハウスオブシセイドウにて「ビューティの時代展」を見る。ファッションや、企業広告の変遷を見るのは大好き。会員誌「花椿」のバックナンバーを読み始めたらキリがなくなってしまった。メイクアップアーチストを目指している学生風の女の子が二人でバックナンバーを眺めては「これ使えそう」とノートにスケッチしていた。

1980年代前半までは多分モデルの肌をCGで修正するということはなかったのだろう。けっこう、シミやそばかすが目立っていて新鮮でもある。今の化粧品のCMではそれはあってはいけないことになっている。CMに出てくるモデルや女優の肌は人形のように隙がない。それを見て何歳になってもそのような肌にならなくてはと今の消費者は焦る。


帰りの新幹線の中で『若者殺しの時代』(堀井憲一郎著 講談社新書)を読む。
1983年から若者を取巻く環境が変わり、大人が若者を放って置かなくなった。大人じゃないのに消費のターゲットになり、今では逃げたつもりになっていたニートさえ大人に捕まえられている、という。
経済成長という目に見える社会の上昇感がなくなり、内面に向うしかない時代の若者に、著者は最後にエールを送っている。
ところで、最近の大学生は「単位を取った」とは言わず、「単位が来た」と言うらしい。知らなかった。「取る」では能動的でがっついている語感がある為か?