私のマッサージ体験

 私もマーサージを受けてみたい。野地扶嘉著『サービスの天才たち』(新潮新書)を読んで思った。

 著者が本書の中でも書いているが、良いサービスと判断するためには、縦横に他のサービスと比較せねばならず、それはすべて著者が体験することによってしかできない。本当に手間がかかる取材だと思う。
 そのような中でのサービス天才たちに出会ったときの嬉しさが文章にあふれているのが微笑ましい。読んでいる側もそのサービスを疑似体験したような気分にもなる。
 引き込まれるのは、丹念に追われ描かれている天才たちのとなるまでの人生についてや、失敗談などの今の地点にまで来る道程である。
 
ゴットハンドといわれるマッサージ師の章では客に緊張させないようにしないと体も揉みほぐせないと書いてあった。体がほぐされると、心の疲れも取れるらしい。
 単純な私は、仕事帰りに職場近くのクイックマッサージに行ってみることにした。時間もないので10分で1000円のつぼ押しコース。
 よほど肩が凝っているのか、ツボを押されると痛い。自然と体が構えてしまって、ほぐされた感じにはならなかった。やはり10分という短い時間じゃ効くと感じるには無理のようだ。サービスを堪能するにはお金と時間が必要なようである。

 あらゆる業種の仕事に携わっている人が仕事で悩んだときは読んで欲しい。何かしら心にとどまる物があると思う。