34年前の町

 「百万人の大合唱」という昭和47年公開の東宝映画がある。内容は暴力団の闊歩する町で市民参加の音楽会を開き、町から暴力を追い出そうと戦った話。モチーフは昭和30年代
にほんとうにあったエピソードだという。
 
 その映画の上映会があり、友人が譲ってくれたチケットで見ることができた。
残念ながら、作りが粗雑で、ロケ地が地元であること、エキストラとして地元の人が多く出ていたこと以外では見るべきところが少なく、名作傑作とは程遠い。 
 私としては、中央資本が入っていなかった時代の街並み、遠く記憶に残っている建物などが出てきて自分の記憶の補完になった。

 登場人物が簡単に死にその死が報われない(つまり殺さなくてもストーリーは成り立つ)映画は駄作だと私は思っている。この映画のひどいところの大きな理由でもある。
 
 峰岸徹が峰岸隆之介の名前で出ている。やたらにカッコいい。主人公は若林豪。でも、脇役の岸田森のほうが適役。